最近は、セクシュアル・マイノリティに関する話題をテレビやwebメディアなどで見かけることが多くなってきました。「LGBT」という言葉も一般化して、社会的認知が進んできたように思います。とはいえ、完全に理解している方は多くないかもしれません。そこで今回は、「LGBT」を正しく理解してもらうために、基本的なことを分かりやすく解説します。
1.「LGBT(エルジービーティー)」ってなに?
L/Lesbian レズビアン(女性同性愛者)
G/Gay ゲイ(男性同性愛者)
B/Bisexual バイセクシュアル(両性愛者)
T/Transgender トランスジェンダー(性別越境者)
この4つの頭文字をとった単語で、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の総称になります。国際社会では「LGBT」という呼び方が定着していますよ。
もう少し細かく説明すると、レズビアンは女性が同性を好きになる方。ゲイは男性が同性を好きになる方。バイセクシュアルは、女性も男性も好きになることがある方。トランスジェンダーは、生まれたときの性別と自分で認識している性別が異なる方。となります。
ここで理解しておきたいのは、LGBTは、「趣味や嗜好」ではないということです。基本的には、生まれつきのものなので、病気でも異常があるわけでもないんですよ♪
2.性別について考える
性には「男性」「女性」だけではなく、さまざまな考え方の切り口があります。そして多様な組み合わせもあるんです。
<身体の性(生物学的な性)>
生まれもった性のことです。人のからだの性別は、性染色体やホルモン、性腺や外性器の形状などから決定されます。生物学的な性は生まれたときに確定していて、外から見て判断できるので、周りの人にとっても分かりやすいものになります。
<心の性(性自認)>
自分自身が自分の性をどの様に認識しているかということ。体が女性であっても心が男性ならその人は男性で、その逆もその通りです。「性自認」と「体の性」が一致していなかったり、体の性とは異なる性で生きようとする人たちをトランスジェンダーと呼びます。
また、性自認は100%男と100%女の2つだけではありません。どちらでもないと感じる人もいます。
<好きになる性(性的指向)>
好きになる相手が男性なのか女性なのか、性別関係なく恋愛対象なのかなどが性的指向の意味です。
そして性的指向には種類があります。
・異性に惹かれる異性愛者
・任意の2つ以上の性別に惹かれる両性愛者
・同性に魅かれる同性愛者
・どの性別にも惹かれない無性愛者
・男性・女性・トランスジェンダー・すべての性別に惹かれる全性愛者
<表現する性(性的表現、ジェンダー表現)>
服装や言葉遣いなど自分を表現する性のことです。
3.それってじつは差別用語かも?正しい言葉を知ろう
LGBTの正しい知識が身についたら、ふだん自分が使っている言葉をもう一度考えてみましょう。差別用語を使わないのはもちろんですが、隠れた差別用語を気づかずに使っていることも忘れてはいけません。LGBTの方を傷つけないためにも、ぜひ正しい言葉を選んでくださいね。
<差別用語>
・ホモ
・レズ
・オナベ、オカマ
・ノーマル
<正しい呼び方>
・ゲイ
・レズビアン、ビアン
・トランスジェンダー
・ストレート、ノンケ
ほかにも隠れた差別用語として、こんな言葉もあります。「人は外見と心の性別が一致しているのが普通だ」「男なんだから」「女なんだから」などです。このように勝手な価値観や、間違った認識も差別になります。日本語には男女において、固定観念的な表現が沢山あります。「男っぽい」や「女っぽい」なども、相手の受け取り方によっては差別用語になることも認識する必要があるでしょう。
あとは「人生において結婚が最大の幸せ」や、「恋愛は異性とするのが普通」など、固定化された間違った価値観を言葉にしないように意識しましょう。
たとえば、男性に「彼女はいるの?」と聞くのではなく、「パートナーはいるの?」と聞く方がこれからの時代にはふさわしいのです。
4.Ally(アライ)であることを表明しよう
LGBTの象徴である6色の虹色の旗をご存知ですか?このレインボーフラッグは、「性とはグラデーションの事なので、様々なカタチが存在する」という意味を持ちます。性のグラデーションとは、「境目がはっきりしていない」という意味でもあります。性のあり方は一人ひとり違っていても良く、「それぞれかけがえのないもの」ということなのです。
そこで、自分がLGBTであるかどうかに関係なく、LGBTの権利を尊重するAlly(アライ)であることを表明してみませんか?アライは、LGBTの人たちの活動を支持している人たちのことです。
アライであることに関しては、レインボーカラーのバッジやシールを身に付けることで表明することができます。また、そのような物をつけなくても、「男らしい」「女らしい」と言わず、「○○さんらしい」と伝えるなど、言葉を選ぶようにすることでもアライの気持ちは伝わりますよ。
5.まとめ
今回解説したLGBTの知識は、ほんの一部です。LGBTという言葉も、たくさんある性的マイノリティの中の4つに過ぎません。LGBTやジェンダーなどはなじみが深くなってきていますが、正しい意味を理解し知識を得ることは、これからの時代にますます必要なことでしょう。お互いを尊重し合える社会にするための第一歩として、これからもLGBTの理解を身につけていきたいですね。そしてアライとして、「すべての人たちの価値観と向き合う」姿勢も大切にしていきましょう。
【この記事に関連するエントリー】
トランスジェンダーとは?性同一性障害との違いや意味。
LGBTの日本での現状や3つの社会問題とは?
LGBTの結婚とは?パートナーシップ制度と同性婚の違い。
【賃貸物件をお探しの方】
沿線・駅から探す方はこちら
エリア・区から探す方はこちら